川野 桂子 様

2023.03.10

エリア:小郡市

なぜこの市・町に移住、活動しようと思いましたか?きっかけなども教えてください

 

出身は熊本県ですが、夫の仕事の関係もあり福岡へ。利便性のいい小郡の西鉄沿線に住居を構えました。子どもの通っていた保育園と「小郡子ども劇場」の事務局が近く、子どもを連れてイベントに参加したことがきっかけです。現在は、「小郡子ども劇場(以下、子ども劇場)」の運営委員長として活動しています。

「子ども劇場」は、1980年に設立し43年になります。子どもたちが生き生きと育つよう、屋外活動をしたり、プロの舞台(舞台劇、人形劇、音楽等)の鑑賞会を開催しています。子どもたちは、家庭、地域、学校等で育ちますが、それ以外の居場所となっていると思います。「子ども劇場」では、子どもたちの主体性を尊重し、興味のあることに参加し、仲良くなり、子どもも大人も失敗しあえる仲間となっています。大人も子どもも、さまざまなことに挑戦し育ち合う場です。小学校4年生以上と中高生と青年だけででキャンプをしたり、花立山で忍者祭りと称して子どもたちと様々な修行を考えて遊んだり。舞台鑑賞は赤ちゃんからお年寄りまで、年齢に応じたものを観ています。特に今は、赤ちゃんも舞台を観る力があると考え、ベイビーシアターの上演にも取り組んでいます。

毎年の総会には市長も挨拶に来てくださり、直接私たちの活動を見てもらう機会となっています。それくらいお互いが近い街だと言えます。

 

 

移住、活動して良かったこと、驚いたことは何ですか?

 

私達夫婦の実家である熊本市に鳥栖や久留米のインターを利用して帰ったり、西鉄の駅はもちろん、甘木鉄道を利用してJR基山から博多駅に行ったりと利便性は最高です。子どもたちの高校通学もとても便利でした。小郡市は、自然にあふれた環境があります。夏の花火、秋の紅葉も堪能しましたが、冬は子どもたちと雪合戦をしたり、凧揚げをしたり、春は宝満川の土手で土筆をとったり、庭で鶯が鳴いたりと、今まで経験しなかったことを満喫しました。

小郡市に移住してしばらくは、親戚も知り合いも一切いなかった土地だったので、不安に思うこともありました。ですが、子どもと一緒に「子ども劇場」に入ることで、さまざまな方との繋がりを持つことができました。子育てというのは、お母さんと子どもだけの世界になりがちだと思います。自分の子どもの成長段階など気になるけど、相談する人・場がなくて悩んでおられる方も多いのではないでしょうか。「子ども劇場」には、さまざまな年代の子ども、子育て中の方、それを乗り越えた年配の方など、多くの方が集います。自分の子どもより上の年代のお子さんの姿を見て学んだり、子育てのアドバイスをしたりと、大人同士も交流することができます。私自身も、仲間と一緒に子育てができ、とても心強く思いました。また、私の知らなかった子どもの良いところ、得意なことだったりを、みなさんに教えていただくこともありましたし、私がお伝えすることもありました。私の子どもたちも一生信頼できる仲間に出会えたと言っています。子育ては、家族だけで育てようと抱え込まなくて良いんです。地域のみんなと一緒に取り組むことで、お互いを尊重し合えて、可能性が広がっていきますから。

 

 

移住者、観光者の方におすすめしたい地域のこと、活動などを教えてください!

 

仕事を続けるために博多駅近くのマンションに住むことも考えましたが、子育てのことを考えて、小郡に住みました。都会のデザイナーズマンションや田舎の自給自足生活も素敵だと思いますが、交通の便がよく、自然あふれる小郡の生活が、結局持続可能な、SDGsな暮らしだと思います。子どもたちとよく遊んだ運動公園のアスレチック広場に、今は孫を連れて行っています。昔、子どもたちが遊んだ遊具で孫も遊べるのはうれしいですね。

絵本・本を読むことも良いですが、観劇などで実際の空間に居て共有するということも大切だと思っています。物語に触れることで、自分が体験したことのない経験や学びが得られます。お子さんだけでなく、ぜひご家族一緒に参加してもらいたいです。劇を観てどう思ったか、何を感じたか、意見交換をすると良いですね。子どもの視点と大人の視点は違いますから、お互いに発見があると思います。観劇をしインプットして、感想を交換しアウトプットすることで、共感力や表現力が高まっていくと思います。子どもの時に芸術に触れる機会を多く持つことで、大人になってからもハードルが低くなります。家族やお友達と共有した空間、感情なども含め、1つでも思い出になったら良いなと思いながら活動しています。

 

 

今後はどのようなことをしたい、どんな風になったら良いな!と考えていますか?

 

自然もあり、ゆったりとした時間が流れる小郡で、これからも小郡の子どもたちがのびのびと育つ環境をつくりたいですね。小郡子ども劇場の会員は、小郡だけでなく、大刀洗、朝倉、久留米、筑紫野、隣県の鳥栖市や基山町からも集まっています。それだけ利便性がよく集まりやすい場所と言えます。舞台やワークショップというのは一期一会です。その場、その時でしか観たり、体験することはできません。家族やお友達とその一瞬一瞬の、感動や輝きを五感で感じ、共有することはかけがえのない経験になります。小郡が自然だけでなく、文化あふれる街になり、赤ちゃんから高齢者まで、いつでも好きな舞台が観られる、そんな環境になればと思います。

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